2018年5月26日土曜日
■写真展物語 第3章 第4話
【最初に決めたこと】
2016年12月に、今回の個展のテーマを決めてから、自分の中で2つの縛りを設けることにしました。
1つ目は構図。
すべてを横位置で統一することを意識して撮影することにしたのです。
もともと、私の写真は9割以上が横位置だったことと、縦横が混在すると展示レイアウトの自由度が下がるというか、悩ましくなるということで、横構図のみと決めました。
逆に展示に際して、変化や面白みに欠けるということになる可能性もありますが、すべての作品が同じ方向で統一されて並んでいるのを見てみたいという思いが勝りました。
撮影していると、どう考えても、これは縦構図だろうという場面も出てきますが、「猫と人」を意識した撮影のときは「縦構図も押さえておく」ということはしませんでした。
一度でも縦構図で撮影してしまうと、どうしてもそれを採用したくなった場合、迷いが生まれてしまうと思い、「それならば、最初から撮らない方がいい。」と決めたのです。
2つ目は色調。
各社のカメラには色調を設定できる機能がついていると思いますが、フジフイルムの場合は「フィルムシミュレーション」という昔のフィルム色を再現するような設定ができるようになっています。
展示用の写真については、この「フィルムシミュレーション」を『Velvia』で統一することにしました。
15年前に猫写真を始めたころは、フィルムカメラを使っていたので、「フィルムシミュレーション」は、なんだか懐かしい気分になります。
昔、使っていたフィルムは、ほとんどが『PROVIA』で、『Velvia』はあまり使ったことがありませんでしたが、「フィルムシミュレーション」では彩度が高めの『Velvia』が、けっこう気に入っています。
個人的な感想ですが、フィルムの『PROVIA』に比べて、「フィルムシミュレーション」の『PROVIA』は、少し地味な気がするのです。
また、RAW現像するときに、自分で各色ごとの彩度をいじりだすと大変ですし、きりがなくなると思いました。そして、個展を意識した場合の統一感を出すには、「フィルムシミュレーション」を利用するのが手軽で簡単だと思ったのです。
ただ、当然RAW現像は行っていて、色温度・明るさ・コントラストなどはいじっています。
人によっては、彩度が高いと、わざとらしくて派手になるので好みではないということもあるかもしれません。そこは何事でもそうですが、万人受けすることは難しいので、自分の好みで押し通すことにしました。
以上の2点、展示を見ていただくときに思い出していただければ幸いです。
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